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歩道橋の上の少女

バンコクで騒乱が起きている。
日毎に目まぐるしく変化する情勢に、野次馬根性で無意味に注意を払ってる毎日ですが、昨日ついに治安部隊がデモ隊の拠点に装甲車で突っ込みました。
わぉ!
簡素な拠点はいとも簡単に崩れ去り、主なデモ隊幹部は投降したようだが、力での制圧に対する怒りは新たなデモ隊を生みだし、統治者を失ったことでその一部は各々の判断で放火や破壊行為に及び、騒乱が今以上に激化と拡散化することも予想される。

私はこれまで30ヶ国ちかくを旅してきた。
もう10年ちかく前のことになるが、とりわけバンコクは6度も訪れているから、今回の騒乱にはいくばくか特別な感情がある。

旅と言ってもまだ現在のように有名ブランドを取り扱うに至っていなかった私は、そのほとんどは仕入れの為の渡航だった。
滞在は決まってプラットゥナムという問屋が集まる地域。
卸問屋はもちろん、レートの良い両替屋やパッキングの為の道具を扱う店、日本に荷物を送る為の運送会社など、仕事に必要な業者が輻輳しているのでなにかとスムーズだからだ。
プラットゥナムは今回の騒乱の中心部といってもよい地域。
昨日デモ隊によって燃やされたセントラルワールド、当時はZEN・ワールドトレードセンターと呼ばれていたかな?もそこから数百メートルの距離なので、歩いて行ってやたら汗だくになってやっぱタクシーで来るべきだったと激しく後悔しながら休んだりした思い出などもちらほら。
ニュースではいつも滞在していたホテルの前の大通りが、火炎瓶や火のついたタイヤなどによって激しく燃えさかる映像が流されるのだが、その映像に映る歩道橋にもちょっとした思い出がある。

ホテルからどこかに移動する際は徒歩圏以外はタクシーで移動する。
徒歩圏と言っても前記のように歩くとものの数十メートルで汗だくになるので、そのほとんどが徒歩圏外だ。
トゥクトゥクやバイタクをふざけ半分に利用したこともあったが、トゥクトゥクは乗り心地がイマイチだし、バイタクは汗まみれのあんちゃんとの2ケツは見た目にもアレなんですぐに選択肢から外された。
ホテルの出口では、ホテルの客をターゲットとして出待ちをしているタクシーの運転手が決まって執拗に声をかけてくるのだが、高級魚の一本釣りを狙う輩よりも正規の運賃でコツコツ働いている運転手にカネを払いたいので、ホテルの出口付近に架かる歩道橋で大通りを逆車線に渡ってタクシーを拾うのがお出かけのルーティーンになり、必然的に毎日何度もその歩道橋の上を行き来することになった。
歩道橋の上には物売りのおばちゃんが数人いた。
ホテルの逆車線側から来る人にとっては物価の安い問屋街へと渡る歩道橋なので意外と人通りが多いことと、屋根があるので突然のスコールでも影響がないことからだろう。
物売りといっても店を持つことが出来ない貧困層によるそれは、段ボールの上に手作りであろう人形が置かれていたり、日本で100円ライターと呼ばれるれる安物のライターが数個置かれていたりといった具合だ。
1個10バーツ(約30円)程度の物が数個並べられているくらいだから、全てを買い占めても200円くらいにしかならない。
まじめにやれ。

それでもそれを売るために物売りのおばちゃんは一日中そこに座っている。
そんな物売りのおばちゃんにまぎれてそこには一人の少女がいた。
見た感じ7、8歳くらいだろうか。
歩道橋を渡る度に、この娘は学校に行かせてもらえないのかなと気になっていた。
彼女の段ボールの上には小さめの爪切りが5個ほど並んでいる。

滞在数日目、ふと伸びた爪が気になりどこかに出かけた帰り、歩道橋を渡ってホテルに戻るついでに私は彼女に話しかけてみた。
「ハウマッチ?」
もちろんホテルのフロントに言えば、爪切りなど部屋までお届けしてくれるのだが、毎日目にする彼女から買ってあげたいという思いがあった。
彼女は立ち上がると段ボールの前まで出てきて
「20バーツ」
と凛とした口調で言った。
「10バーツOK?」
と私が言うと
「ん~ フォーユー ん~ 15バーツ!」
特別よっ、てな具合に大人びた口調で彼女は言った。
財布から15バーツを出し彼女に渡して爪切りを受け取ると、私は財布からもう20バーツを出し彼女に差し出した。
驚いたような顔をしていたので私は言った。
「フォーユー」
すると凛とした態度の先程とはうって変わり、子供の笑顔を浮かべ
「コップンカーッ」
と手を合わせて深くお辞儀をした。

それから私がそこを通る度に、彼女は微笑みかけてくれた。
数ヵ月経って訪れた時でも、彼女は私のことを覚えていてくれて、前を通る度に微笑みかけてくれた。
タイがは微笑みの国と言われるがが、子供の笑顔は特に癒されるものがある。

今日ではその通りは封鎖され、その歩道橋の下で火炎瓶やタイヤが燃えさかっている。
10年ちかく経った今でも彼女がそこで物売りをしているとは思わないが、その映像を見る度に現在彼女は人並みの生活が送れているのだろうか、貧困層だろうから赤いTシャツを着てデモに参加しているのだろうか、などといった思いが去来する。

側聞するところによればタクシン派に歩み寄るかたちで11月14日に予定されていた選挙を前倒しにするという話もある。
しかしながらその選挙でどちらが勝とうが、官軍と逆賊の立場を決めるだけで、しばらく騒動は治まらないような気がしてならない。

タイの微笑みが一日でも早く取り戻せる日が来ることをただただ祈っています。
さて、爪でも切るか。








テーマ:タイ・バンコク - ジャンル:海外情報

  1. 2010/05/21(金) 11:58:35|
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